【誰トク!?】知られざるブラスト加工の種類と効果について

投稿日:2020-09-04

「ブラスト加工……」メンテ好きのバイカーさんが、パワーワードのように使っている様子を見掛けることがありますが……その種類と効果、ご存知ですか?

今回は、知られざるブラスト加工の世界を駆け足でご紹介してみます!

 

ブラスト加工の種類

ブラスト加工とは、金属やセラミックなどの加工対象物に対して、砂や鉄などの粒子を高速に打ち付けて、表面を削ったり微細な凸凹を付けたりする処理のこと、であります。

で、「blast」とは風の意味ですから「サンドブラスト」とは砂の風のことでありまして、珪砂を吹き付ける表面処理のことです。また、細かな鋼球を掃射するのが「ショットブラスト」、そして尖った鉄の粒子を吹き付けるのが「グリットブラスト」であります。

これら以外に、もう一つバイカーさんなら聞いたことがあろうブラスト加工……それが「ウェットブラスト」です。水と研磨材の混合液(スラリー)を圧縮エアのパワーを使って噴射して加工する……それがウェットブラストであります。

 

ブラスト加工の効果

「サンドブラスト」「ショットブラスト」「グリットブラスト」「ウェットブラスト」をご紹介しましたが、その効果は結構似ていて……素地研磨(塗装やメッキの下処理)、汚れ落とし、サビ除去、バリ取り、外観仕上げ、などです。では、何故そんなに種類があるのかと言えば……それは適用する部品の素材に応じてブラストする材料を変える必要があるから、であります。

そんなブラスト加工にあって、ちょっぴり異なる効果があるのが、ウェットブラストであります。ピストンに加工する「ショットピーニング」がソレ。金属表面に水と混合させた球形の微粒子を圧縮エアで加速衝突させて、ピストンの表面を改質します。改質された表面は硬化するうえ小さな凹みができ、ここにエンジンオイルが保持されることで摩擦性と摩耗性が高まるのです。結果、ピストンの耐久性と、それに摺動性も高まるのであります。なのでショットピーニングは、レーシングバイクやそれに準ずる速いバイクのピストンに施されている、というわけ。

またウェットブラストは、この表面改質効果から、トランスミッションギアやシャフトにも適用されているのであります。

 

画像参考-Unsplash
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